ウォーキング 銀の馬車道 冬編 [姫路]
さかのぼること、銀の馬車道ウォーキングの続きです。
2012年11月24日(sat)
銀の馬車道ウォーキングも3回目。
第1回目 http://pota50go.blog.so-net.ne.jp/2012-04-30
第2回目 http://pota50go-2.blog.so-net.ne.jp/2012-11-03
年内に「銀の馬車道ウォーキング」を完歩したいということで、三人の日程調整で今日に決まりました。
今回は、思いがけない寄り道で、匠の技を知ることとなりました。
前回の続きは、JR播但線の溝口駅からのスタートです。
馬車道は現在、県道218号線です。
そこで見つけた「船津瓦発祥の地」の石碑。
「船津瓦発祥の地
文化2年(1805年)、姫路藩主の命により御用瓦師小林文衛門が良質の粘土の出る大沢に初めて瓦窯を築いた。後に「馬車道」が開通しここに休憩所(立場)ができてから「立場瓦」とも呼ばれた。」
船津町は良質の粘土と瓦の産地だそうです。
スレート屋根の上に金の鴟尾(しび)」。
多分、瓦工場だろうけど…
気になるので見学をお願いすると、快く案内していただきました。
これ、瓦を焼く窯です。
銀色の独特の光沢のある瓦で、寺社や城郭、一般家屋といった日本建築の屋根によく見かける「いぶし瓦(下側)」ですが、姫路城に使われる瓦はもう一度焼いて、銀色の光沢を飛ばしています(上側)。
手前の方が社長です。
若かりし時のことをいろいろお話していただきました。
先代(父親)から一人で瓦の焼きを任された時、いぶし瓦は名のごとくいぶし作業が必要なのを忘れてしまい失敗したことを先代に言うかどうか悩んだことがあるそうです。
厳しい先代に怒られると思っていたのに、もう一度いぶせば良いと言われ怒られずに済んだそうです。
不思議に思い年配の職人さんに話したところ、先代は遊びに何度も失敗していたということが判明。
「何やそれ~」と思ったそうです(笑)
鬼瓦も時代の流れがあるそうです。
昔の鬼瓦は右のように簡単な作りですが、時代とともに技法を駆使するようになってきて複雑化しているそうです。
「軒丸瓦」です。
紋は「五七の桐」
築城時やその後の補修の際に、時の城主の家紋が使用されているそうです。
平瓦を作る機械です。
曲線の型です。
この部屋では、土を型にはめて固めているようです。
鬼瓦ですが、作る時は余分に作るようです。
必要な分しか作っていないと、不良になった時間に合わないからです。
ここにあるのは、小さなヒビや欠けがある不良品だそうです。
「鯱」
熊本城の天守閣に飾られています。
これは予備に作った分です。
お忙しいところ、ありがとうございました。
後々あの社長を、驚く場面で見かけることとなります。
船津瓦の地元は、いたる所で瓦のオブジェを見かけます。
工場のシャッターは、銀の馬車道にふさわしい絵柄です。
犬小屋も船津瓦です。
贅沢な犬小屋ですね~
いよいよ姫路市内に入っていきます。
砥堀には、銀の馬車道が市川を渡ったところに「生野橋・馬車道修築の地」の碑があります。
明治9年、馬車道の完成を祝って生野橋のたもとに記念碑が建てられました。
「修築」としたのは旧街道を利用したことからのようです。
始発・終着点でもないところに碑が置かれたのは、生野橋の工事が難工事だったと言われているからだそうです。
背景に見える橋は3代目の現在の橋で、初代の橋は岸の石垣と、川の中の橋脚跡が残るだけです。
野里まで来ると昔の街並みは残っていないようで、標識だけが手掛かりです。
「はぜの木」
江戸時代末期、姫路藩の財政改革の一環として「はぜ」を市川の土手に植え、蝋を取ってロウソクを専売としていたそうです。
銀の馬車道とは関係が無いようです。
国道312号線を渡ります。
この道が、生野に通じるのです。
銀の馬車道跡の名残でしょうか?
道がまっすぐに延びています。
姫路城です。
現在大天守保存修理工事中で、2014年1月15日までの予定です。
京口に到着。
「河合惣兵衛」とは誰か?
長州藩の桂小五郎や久坂玄瑞らの勤王の志士たちと盛んに交流し、姫路藩も惣兵衛ら勤王派の藩士たちの言動が無視できない状況ぐらいになりました。
その時、惣兵衛の子 河合十郎宗貞が脱藩。
すぐに捕えられ、これを契機に攘夷派への取り締りが強化されて惣兵衛も姫路藩に捕えられます。
惣兵衛は罪を一身に背負い他の藩士たちの命乞いを行いますが、惣兵衛以下6名が切腹、2名が打ち首、6名が永久投獄、のべ76人が処罰を受けました。
当時の勤王の志士たちにとって、惣兵衛は桂小五郎や伊藤博文と同様に尊敬されていたようです。
ここで今日は終わりとして、次回が最終日となります。
2012年11月24日(sat)
銀の馬車道ウォーキングも3回目。
第1回目 http://pota50go.blog.so-net.ne.jp/2012-04-30
第2回目 http://pota50go-2.blog.so-net.ne.jp/2012-11-03
年内に「銀の馬車道ウォーキング」を完歩したいということで、三人の日程調整で今日に決まりました。
今回は、思いがけない寄り道で、匠の技を知ることとなりました。
前回の続きは、JR播但線の溝口駅からのスタートです。
馬車道は現在、県道218号線です。
そこで見つけた「船津瓦発祥の地」の石碑。
「船津瓦発祥の地
文化2年(1805年)、姫路藩主の命により御用瓦師小林文衛門が良質の粘土の出る大沢に初めて瓦窯を築いた。後に「馬車道」が開通しここに休憩所(立場)ができてから「立場瓦」とも呼ばれた。」
船津町は良質の粘土と瓦の産地だそうです。
スレート屋根の上に金の鴟尾(しび)」。
多分、瓦工場だろうけど…
気になるので見学をお願いすると、快く案内していただきました。
これ、瓦を焼く窯です。
銀色の独特の光沢のある瓦で、寺社や城郭、一般家屋といった日本建築の屋根によく見かける「いぶし瓦(下側)」ですが、姫路城に使われる瓦はもう一度焼いて、銀色の光沢を飛ばしています(上側)。
手前の方が社長です。
若かりし時のことをいろいろお話していただきました。
先代(父親)から一人で瓦の焼きを任された時、いぶし瓦は名のごとくいぶし作業が必要なのを忘れてしまい失敗したことを先代に言うかどうか悩んだことがあるそうです。
厳しい先代に怒られると思っていたのに、もう一度いぶせば良いと言われ怒られずに済んだそうです。
不思議に思い年配の職人さんに話したところ、先代は遊びに何度も失敗していたということが判明。
「何やそれ~」と思ったそうです(笑)
鬼瓦も時代の流れがあるそうです。
昔の鬼瓦は右のように簡単な作りですが、時代とともに技法を駆使するようになってきて複雑化しているそうです。
「軒丸瓦」です。
紋は「五七の桐」
築城時やその後の補修の際に、時の城主の家紋が使用されているそうです。
平瓦を作る機械です。
曲線の型です。
この部屋では、土を型にはめて固めているようです。
鬼瓦ですが、作る時は余分に作るようです。
必要な分しか作っていないと、不良になった時間に合わないからです。
ここにあるのは、小さなヒビや欠けがある不良品だそうです。
「鯱」
熊本城の天守閣に飾られています。
これは予備に作った分です。
お忙しいところ、ありがとうございました。
後々あの社長を、驚く場面で見かけることとなります。
船津瓦の地元は、いたる所で瓦のオブジェを見かけます。
工場のシャッターは、銀の馬車道にふさわしい絵柄です。
犬小屋も船津瓦です。
贅沢な犬小屋ですね~
いよいよ姫路市内に入っていきます。
砥堀には、銀の馬車道が市川を渡ったところに「生野橋・馬車道修築の地」の碑があります。
明治9年、馬車道の完成を祝って生野橋のたもとに記念碑が建てられました。
「修築」としたのは旧街道を利用したことからのようです。
始発・終着点でもないところに碑が置かれたのは、生野橋の工事が難工事だったと言われているからだそうです。
背景に見える橋は3代目の現在の橋で、初代の橋は岸の石垣と、川の中の橋脚跡が残るだけです。
野里まで来ると昔の街並みは残っていないようで、標識だけが手掛かりです。
「はぜの木」
江戸時代末期、姫路藩の財政改革の一環として「はぜ」を市川の土手に植え、蝋を取ってロウソクを専売としていたそうです。
銀の馬車道とは関係が無いようです。
国道312号線を渡ります。
この道が、生野に通じるのです。
銀の馬車道跡の名残でしょうか?
道がまっすぐに延びています。
姫路城です。
現在大天守保存修理工事中で、2014年1月15日までの予定です。
京口に到着。
「河合惣兵衛」とは誰か?
長州藩の桂小五郎や久坂玄瑞らの勤王の志士たちと盛んに交流し、姫路藩も惣兵衛ら勤王派の藩士たちの言動が無視できない状況ぐらいになりました。
その時、惣兵衛の子 河合十郎宗貞が脱藩。
すぐに捕えられ、これを契機に攘夷派への取り締りが強化されて惣兵衛も姫路藩に捕えられます。
惣兵衛は罪を一身に背負い他の藩士たちの命乞いを行いますが、惣兵衛以下6名が切腹、2名が打ち首、6名が永久投獄、のべ76人が処罰を受けました。
当時の勤王の志士たちにとって、惣兵衛は桂小五郎や伊藤博文と同様に尊敬されていたようです。
ここで今日は終わりとして、次回が最終日となります。
こういう味わいのある話を聞けるのもウォーキングのいいところですね。
by moumou (2012-12-25 08:13)
ひとくちに瓦といっても、
いろんな形があるんですね。
まさに巧みの技!!
by miyukimono (2012-12-25 13:18)
立派な鯱ですね~間近で見てみたいです(*^^*)
by kummy (2012-12-25 16:18)
charingoさん、メリークリスマス♪
by Extra-Low (2012-12-25 21:29)
熊本城の鯱がこんな間近で見れるなんて・・・!!
凄いですねー!!(笑)
鬼瓦も凄い・・・
こういうの、一度自分でも作ってみたいですね!!(笑)
by yosshu0715 (2012-12-26 02:40)
確かに銀色の光沢がありますね。
そういう瓦初めて見ました。
歩くと自転車よりもさらにいろいろなことが見えてきますね。
by tac-phen (2012-12-26 04:10)
こんなに素晴らし瓦工場、来年のツーリング候補ですね。
犬小屋凄過ぎ!
by koni (2012-12-26 09:33)
先人たちの歩んだ歴史紹介、素晴らしい記事ですね。
by mwainfo (2012-12-26 10:52)
鬼瓦・・・見つけるとついつい撮ってしまう私。
良いよね〜♪
歩くと見える物も違うでしょう?
歴史の上に今・・・
考えながら歩くのも楽しいよね。(笑)
by hatumi30331 (2012-12-27 10:20)